もどかしさ

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頭に血の気が一気に上るのを感じた。 程よく酔っていたのに 自分でも驚くくらい一気に酔いが覚めてゆくのが分かる。 「おい……」 佐藤が慌てて止めにかかる声に俺は無意識に拳をきつく握り、 そして自分が今すごい形相で睨んでしまっていたことに気づく。 感情を抑えなくては、 隠さなくては、 って思うが、 どうしても止められなくて……、 次の瞬間に俺は止めにかかる佐藤の手を払い除け、 咲穂たちの席へと真っ直ぐと向かっていた。 心臓が異常なくらい強く打ちつけ、 身体中から汗が吹き出しそうなくらい熱い。 でもあと少しで咲穂たちの席にたどり着きそうな時、 不意に凜子という子と目が合ってしまった。 凜子はすごく驚いた顔で俺を見ると、 慌てて咲穂の隣の男に何やら話しかけだした。 どうやら俺のことを話したらしく、 咲穂の肩を抱いた男の視線が俺に移る。
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