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結局あの後、
ユキは
「出掛けてくる」
と言い残し、
出かけて行ってしまった。
そして返ってきたのは夜遅くで、
少し酔っているようだった。
気になって起きて待っていたが、
ユキの様子に思わず寝たフリをしてしまった。
キッチンの辺りでコップが割れる物音や
物にぶつかる音が聞こえてきて少し怖くなったからだ。
物にあたり「クソッ」というユキの乱暴な声に
私は驚き身を縮めてしまった。
でもしばらくして寝室に入ってきたユキには、
さっきの荒々しさは感じなかったが、
足元はおぼつかない様子でふらつきながらベッドに腰を下ろした。
上手い具合に背中を向けて横たわっていた私はホッとしてしまうが、
背中に痛いくらいの視線を感じ居心地の悪さを感じる。
微かに軋むベッドのスプリングに一々、
ビクつきそうになる。
さっきのことで、
もしかしたらいつの間にか気持ちが重なっているように感じたのは
私の気のせい?
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