無明の闇

11/29
前へ
/29ページ
次へ
 秋山は生気の無い、真っ黒の瞳で、前を向いていた。 「そうだ。この暗さが人の死とは、どういうことなのかを肌で感じ取れるんだ。皆、とても悲しいね。 うんうん分かるよ~。御通夜、御葬式、みーんな弔いたいよね?」 「曜子さんのお葬式の日にちが決まったんですか!」 珍しく江藤りさが発言をした。それだけ、忠誠心が高かったんだろうか? 「江藤りささん。そうだ決まった……葬式には香典もかかるんだ。お前の家、払えるのかぁ? くくくっ」 りさは悲しい眼をして俯き、サファイヤを握り締めた。
/29ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加