記憶

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そして彼女の羞恥心を煽るように、 わざと音をたて小刻みにキスを落としていく。 「あっ……やぁ。 ユキ―っ」 甘い声を漏らし何かを訴えるように俺の名を呼ぶ彼女に、 仕返しのつもりが逆に俺は欲情してゆく。 これではどちらが優位なのか分からなくなる。 どこまで俺を壊していくつもりなのかと彼女を見ると 「腕、離して」 と潤んだ瞳で訴えられ、 俺は迷うことなく解放する。 瞬間、 彼女の腕が俺に真っ直ぐ伸びてきて、 俺の首に腕を絡めるとそのまま引き寄せ微笑む。 「ユキ、 好き……」 そうまた甘く囁く彼女に戸惑っていると、 初めて彼女から俺の唇にキスが落とされた。
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