記憶

10/40
前へ
/40ページ
次へ
私は自分の名前のところ以外サインした後カバンに仕舞い、 私たちはしばらく三人で飲んだ。 そして一時間くらいして 二人は帰ると言い、 その店で別れた。 本当はいつものように 仕事の愚痴を聞いてほしかったのに 聞いてもらえず、 私はしたまま。 しかも週末なのに 中途半端な時間で気分もさえず、 酔い加減も微妙だった。 それで一人で飲み直そうと 馴染み神崎さんのバーに行ったんだ。 思い出した私は神崎さんのお店へと 足を向ける。 そして今度は店の前で立ち止まるのではなく、 ドアを開いた。 「いらっしゃいませ。 あ、 咲ちゃん」 いつものように 神崎さんが迎え入れてくる。 店内は時間が時間だけに誰一人居ない。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1732人が本棚に入れています
本棚に追加