記憶

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「はい、 何とか……」 大丈夫とは程遠いが、 そう答えるしかできない。 私は苦笑いで答えながら 神崎さんの様子を伺いながら 訊ねるタイミングを探る。 「あの……」 「一人?  今日は軽めので、 いいよね」 思い切って訊ねようとした私の言葉を遮るように 神崎さんが思い出したように話を振ってきた。 私は出かかった言葉をのみ込み頷く。 そして思い出す――昨日の事。 そうだ、 確か昨日も神崎さんに 今と同じような事を言われた。 とりあえず酔いたかった私は 「何でもいいからうんと強いヤツお願い」 と止める神崎さんの言葉も譲らす 無理やり作ってもらったんだ。
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