記憶

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とりあえず私は昨日の記憶を辿り、 いつも行く飲み屋街へと向かった。 何件か顔馴染みの店のそばまで立ち止まると昨日の記憶を呼び起こす。 そう!  確か昨日、 私は容子に呼び出されたんだ。 で、 居酒屋で軽く飲んで……。 容子に指定された居酒屋の前で 立ち止まる。 私より少し早めに店に来ていた容子。 珍しいなと思いながら 二人の定番メニューを注文し、 とりあえずビールで乾杯。 いつもなら一気にジョッキの半分くらい空けてしまう容子が、 ほんの少し口をつける程度で終わり、 そのあともなかなかビールが進まず、 私だけが二杯目を注文。 妙に携帯を気にするし変だな?  と思っていたところに彼、 今井 和明がやってきた。 誰?  聞いたことも見覚えもない突然の彼の登場に驚く私に 容子は “私たち結婚することになったの……” と照れくさそうに言った。
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