記憶

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「えっと、 話が見えないんだけど……。 何がどうしたら急にそうなるの?」 困惑する私に容子と今井さんは 顔を見合わせ照れくさそうに笑い合う。 「実は……」 そして容子が少し躊躇いがちに 恥ずかしそうに話し出した。 どうやら二人は知り合いに誘われお見合いパーティーに行って知り合い、 偶然にもお互い一目惚れだったとか。 お互い歳も歳だけに付き合いだしてすぐに結婚話が浮上し、 お互いの両親に挨拶に行ったところ、 そこから一気に話が進んでいった、 ということだった。 話を訊いても、 そんなことあり得るのかと信じ難かったが 目の前の容子があまりに嬉しそうな顔を見ていると、 見ているこっちまで幸せな気分になってきた。 でもそれと同時に 私の中に焦りが生まれだす。
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