気持ち

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本人は気づいていないのかもしれないけど、 結構な小悪魔キャラで 俺の心を弄(もてあそ)ぶかのように揺さぶりまくる。 いっそ思いっきり叩き起こして聞いてやろうとも思ったが、 俺の下で幸せそうに微かな笑みを浮かべたように眠っている咲穂を見ていると そんな気も失せていく。 ただ愛おしくて…… 愛おしくて…… 思わず咲穂を抱き締めると 当たり前のように俺の胸に頬を摺り寄せてきた。 単純かもしれないが、 今の俺にはそれだけで十分で……。 俺は咲穂を抱き締めたまま、 いつの間にか深い眠りに落ちていってしまった。 ――… ―… 朝、 自然と目が覚めた。 元からそんなに朝は弱くないが、 それにしても久しぶりに目覚めの良い朝だった。 それも全部、 今まだ俺の腕の中で 心地よさそうに寝息を立てている咲穂のせいだろう。
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