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でも俺の腕の中で気持ちよさそうに寝息を立てる咲穂を無理やり起こすこともできず、
諦めてベッドへと運ぶ。
そして添い寝するように腕枕で隣に寝転び、
咲穂の寝顔を見てふと思う。
――このまま咲穂を巻き込んでしまってもいいのだろうか……。
昨日は咲穂の勢いもあり、
自分にも都合がいいと無理やりにでも手に入れてやろうとも思った、
でも神崎の話を訊き、
そして咲穂の無邪気な寝顔を見ていると、
さすがの俺も良心が痛む。
眠る咲穂の頬にソッと触れると、
くすぐったそうに俺の手を払い微かに笑う。
多少の罪悪感を覚えるが、
やっぱり俺は咲穂を手に入れたいと思ってしまった。
俺はまるでガキの頃にずっと大切にしていたぬいぐるみでも抱くように咲穂を抱きしめ、
ゆっくりと深い眠りへと落ちていった。
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