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「軽く飲んでいくか?」
おしぼりを手渡され、
目の前にはナッツの盛り合わせが置かれた。
そして神崎の手には俺がいつも頼むお酒のリキュール。
甘い誘惑に気持ちがグラグラ揺れる。
本当は咲穂ではないが
昨日は飲み潰れるつもりで来ていたのに、
咲穂に捕まり
完全に不発で終わってしまった。
今日は車で来たが、
それはどうにかなる。
でも……。
チラリと隣で酔いつぶれる咲穂を盗み見る。
――駄目かな……。
フーッと高ぶる気持ちを落ち着けるように深く息を吐く。
「いや、
今日はやめとくわ」
断る俺に神崎は残念そうに「分かった」とお酒を下げる。
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