1425人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんでよー
もう1 本くらいいいでしょ!?」
ユキの手を振り払い冷蔵庫の扉を開こうとしたが。
体重をかけるようにドアを押さえられビクともせずビクともしない。
「ちょっと、
退いてよ!」
すでに飲む気満々だった私は
急にお預けを食らったような気がして
変にムキになって騒ぎ出す。
何よりピザとビールとテレビに夢中になり
私を放っておいたユキが悪いんだ、
とふて腐れもしていた。
「ダメだ……、
一度くらいはきちんと意識がある咲穂を抱きたい」
でも次にユキの口から出てきた言葉に私は驚き、
同時に胸が高鳴ってしまった。
――それは反則だよ……。
ゆっくりと振り向きユキを見ると目と目が合い、
ユキはそんな私の手を自分に導くように引き寄せた。
私も抵抗することなくユキに引き寄せられ、
その腕に素直に収まる。
最初のコメントを投稿しよう!