蜜月

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ビールのせいか、 さっきより少し高いユキの体温、 鼓動。 いつの間にかすごく落ち着くユキの腕の中。 こんな風に誰かの腕に抱かれ、 安心できたのは本当に久しぶりだった。 恥ずかしいからわざと飲んでたのに…… 「もうお腹もいっぱいになっただろ?」 私にはユキのこの言葉が何を意味するのかよく分かっていた。 はっきり口に出して言わなくても分かる……。 私を抱きたい、 って言ってる。 それが逆に私の鼓動を速め、 緊張を高まらせる。 「まだ食べれる……」 恥ずかしさ紛れにソファーに戻り、 すでにお腹はいっぱいなくせに新しいピザに手を伸ばそうとする私。 でもそれを阻止するようにユキに手を掴まれてしまう。 「――もういいだろ……?」 そう言って掴んだ私の手を口元に持っていき、 口づける。 ユキの唇が触れた手の甲から軽く電気が走ったような感覚がした。
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