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もうやばいくらいに鼓動は高鳴り、
でも私はそんなユキから目を反らすことができなかった。
ユキはそんな私を当たり前のように抱き上げ、
迷うことなくユキの足は寝室へと向かい、
それに同調するように私の鼓動は速まってゆく。
別に初めてでもないのに……
別に嫌な訳じゃないのに……
相手がユキだと思うと私の鼓動は暴走しだしてしまう。
「しがみつきすぎ……」
頭上から笑い混じりのユキの声がして慌てて手を緩めた瞬間、
背中に柔らかなベッドのスプリングを感じた。
反射的にユキにしがみつきにかかるが、
いつの間か私に覆い被さるように距離をつめていたユキ。
すぐに掴みかけたユキのシャツから手を引っ込める。
ギシッ、
とまた新たにスプリングが軋む音がしたかと思うと
ユキの手が私の頬に触れる。
そして顔にかかってしまっていた髪を優しく退かし、
嬉しそうに笑った。
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