蜜月

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私は突然なことに手を忙しく動かし暴れる。 でもユキに押さえ込まれ、 両手ともベッドに押さえ込まれてしまった私は諦めてキスにのまれてゆく。 静まり返った部屋には私達の少し荒い息使いとリップ音。 そして半開きになっているドアから漏れてくる つけっぱなしにしてしまったテレビの音。 「咲穂……」 キスの合間に私の名前を呼ぶ。 ――そういえば前も、 なんてふと思い出す。 私を抱くときはやたら私の名を口にするユキに対し、 恥ずかしさから逆に口にできない私。 そんなことを思い出しているうちにいつの間にか腕は解放されていた。 でも変わりにユキの手が私の服をまさぐり出し、  そして脱がしにかかろうとする。 私はそれを手伝うように身体を少しずらした。       * 咲穂に“可愛い”なんて言われるとは思わなかった。 思わず反応してしまった俺に嬉しそうな咲穂。 ――なんかムカついた。
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