蜜月

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いつも焦らし、 俺をやきもきさせるくせに今はこの余裕たっぷり。 逃げられないように思いっきり押さえつけ、 わざと荒々しく唇を塞いでやった。 最初は驚き暴れた咲穂もすぐに体の力が抜かれ、 おとなしくなっていく。 そして俺が咲穂の服を脱がせにかかると咲穂も体をずらし、 それを促してくれた。 ――すごく嬉しかった。 別に普通はこんなことなんとも感じないのに 相手が咲穂だからなのかもしれない。 今までが今までだけに 咲穂のこんな些細な行動にさえ嬉しくて堪らなかった。 咲穂のそんな些細な行動が俺の欲望を奮いたたせ、 咲穂の甘い声に欲情する。 こんなに一人の女にどっぷりハマったことはあっただろうか……、 ない気がする。 そんなにがっつくほど女に飢えてた訳じゃないし、 そんなに若くもない。 今まで女に困ったことはないし、 そこまで欲しいと思ったこともない。
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