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私は自分でも驚くくらい家路へと急いでいた。
早く帰りたくて……
早く会いたくて……
一秒でも勿体なく感じてしまうくらいに私は急いでいた。
急いで帰っても、
こんな早い時間にユキは帰っていないと分かりながらも
私は急がずにはいられなかった。
やや息を弾ませマンションに着いた私は忙しく部屋に入る。
でもやっぱり部屋の中は真っ暗で誰も居る気配はなく、
一気に気持ちが冷めてゆく。
ハァーッ、
と深く息を吐き自分を落ち着かせると、
靴を抜きさっきとまでは正反対の重い足取りで
リビングへと足を進めた。
真っ暗な部屋に電気を点けると
そのままソファーに寝転び身を沈める。
「何してんだろ……、
私」
一人で盛り上がって、
一人で張り切って、
一人で落ち込んでいる。
寂しさからか虚しさが募りやるせなさを感じる。
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