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額に触れるユキの唇、
私の身体を締め上げるようにきつくまわされた腕。
気もち、
押し潰すようにユキが私の上に覆い被さっていた。
一気に蘇る記憶
――。
ユキとの間を隔てるものは何一つない。
前とは違い、
鮮明に残り焼きついている記憶に私の鼓動は速鳴りだす。
まだ残るユキの感覚。
あまりにも生々しい記憶にまた身体が火照りだす。
できればユキが目を覚ます前にシャワーを浴び、
着替えを済ませていたいと
ユキを起こさないようにソッと身体を少し動かす。
「ん?
……今、
何時?」
急にユキが目を覚まし、
モゾモゾと動き出す。
ちょうど昨夜のことを思い出していた私は
恥ずかしさから答えることができなかった。
「咲穂?」
答えない私に身体を少し起こし、
不思議そう様子を伺うように見てくる。
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