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目に飛び込んできたのは意地悪な笑みを浮かべ、
私を見下ろしているユキの顔だった。
悔しい……
やっぱりユキは私が寝たフリをしていたことに気づいていて、
わざとあんなことをしたんだと思うと少し腹が立ってきた。
「意地悪……」
私が睨むように見つめるとユキは微かに声を漏らし笑う。
「お前が寝たフリなんかするのが悪いんだろ?
呼んだら素直に返事しろよ」
言い返す言葉が見つからない
――。
確かに元はといえば
私が寝たフリをしたのが悪いのかもしれないけど
気づいているくせに、
それにかこつけて行為に及ぶなんて言語道断。
「だって……」
今更、
恥ずかしかったからなんて言えない。
――そんな可愛いことを言う歳でもないし……。
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