蜜月

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私は気持ちを切り替えるかのように、 重い身体を無理矢理起こすと着替えるために寝室へと向かう。 さっき変に急いでしまったせいか今頃、 ドッと疲れが来たような気がした。 「眠っ…」 同時に眠気が襲ってきて欠伸をしながら寝室に入ると、 楽な家着に着替えた。 本当ならベッドにダイブしたいところだが 今日は躊躇(ためら)いを感じてしまう。 朝、 急いでいたせいで乱れたままのベッド。 それがやけに生々しく、 昨日の記憶を呼び起こさせる。 私はまるで邪念を祓(はら)うように頭を振ると、 よそよそしい手つきでベッドの乱れを誤魔化すように直す。 本当はシーツを外し洗いたいところだが、 それもまた恥ずかしい気がして止める。 寝室に居ると落ち着かず、 とりあえず夕飯の用意をすることにした。 でもいざキッチンに向い料理をしようとしたが、 帰ることで頭がいっぱいだった私は 買い物をすることをすっかり忘れてしまっていたことに気づく。 あまりの不甲斐なさに呆れ、 脱力感に襲われる。
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