蜜月

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私はそんなユキの背中を見つめながら まだ止まぬ鼓動の速鳴りをおさめるようにゆっくり、 そして深く呼吸を繰り返した。 ピザが来るまでずっとユキは 私の傍らに寄り添うように座りテレビを見ていた。 私といえば急なユキの変わりように戸惑い、 テレビに集中することができなかった。 しかもユキの手が私の肩に回され、 なぜかその指は私の首筋に触れている。 そして時折、 ちょっかいを出すようにその指が怪しく動き、 くすぐったさに私は身をよじらせると、 ユキは楽しそうに笑い、 止めるどころか更にその反応を楽しみだす。 止めてほしいけど……、 止めてほしくない。 落ち着かないけど……、 嫌じゃない感覚。 久しぶりなドキドキと甘い感覚にまだ慣れきれない私。 そしてまだユキと想いが通じるなんて信じられない気持ち ―――でも“今”は夢じゃない。 私はユキの肩に頭を寄せ、 目を閉じ幸せに浸っていると、 寄り添う私の頭をユキは優しく撫でてくれる。
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