1425人が本棚に入れています
本棚に追加
私はそんなユキの背中を見つめながら
まだ止まぬ鼓動の速鳴りをおさめるようにゆっくり、
そして深く呼吸を繰り返した。
ピザが来るまでずっとユキは
私の傍らに寄り添うように座りテレビを見ていた。
私といえば急なユキの変わりように戸惑い、
テレビに集中することができなかった。
しかもユキの手が私の肩に回され、
なぜかその指は私の首筋に触れている。
そして時折、
ちょっかいを出すようにその指が怪しく動き、
くすぐったさに私は身をよじらせると、
ユキは楽しそうに笑い、
止めるどころか更にその反応を楽しみだす。
止めてほしいけど……、
止めてほしくない。
落ち着かないけど……、
嫌じゃない感覚。
久しぶりなドキドキと甘い感覚にまだ慣れきれない私。
そしてまだユキと想いが通じるなんて信じられない気持ち
―――でも“今”は夢じゃない。
私はユキの肩に頭を寄せ、
目を閉じ幸せに浸っていると、
寄り添う私の頭をユキは優しく撫でてくれる。
最初のコメントを投稿しよう!