1612人が本棚に入れています
本棚に追加
出るのはため息ばかり――
只でさえ気が重いのに更に重さが増した気がする。
なんか悔しい。
いっそ、
あの男とこのまま結婚したままでいようかなんて
つい馬鹿なことを考えてしまった。
よく思い出すと確かに顔は悪くなかったし背も高い。
本音を言うと割りと私の好みだったりもする。
しかも年齢的にもちょうどいいし部屋だって今、
思えばいい感じだった気がする。
そういえばなんの仕事してるんだろう……。
ふと気づくと天井をぼんやり見ながら
男の事を考えてしまっていた自分に気づき、
慌てて頭の中からあの男を追い払う。
一瞬でも、
あの男に興味を持ってしまった自分が嫌になってしまった。
「最悪!
何、
馬鹿なことを考えてるのよ……」
いくら追い詰められているからって、
いくら自暴自棄になりかけているかって、
あんなに失礼で最悪な男となんて絶対に有りえない! 一生懸命、
否定しながら思いっきり落ち込んでしまった。
最初のコメントを投稿しよう!