焦り

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出るのはため息ばかり―― 只でさえ気が重いのに更に重さが増した気がする。 なんか悔しい。 いっそ、 あの男とこのまま結婚したままでいようかなんて つい馬鹿なことを考えてしまった。 よく思い出すと確かに顔は悪くなかったし背も高い。 本音を言うと割りと私の好みだったりもする。 しかも年齢的にもちょうどいいし部屋だって今、 思えばいい感じだった気がする。 そういえばなんの仕事してるんだろう……。 ふと気づくと天井をぼんやり見ながら 男の事を考えてしまっていた自分に気づき、 慌てて頭の中からあの男を追い払う。 一瞬でも、 あの男に興味を持ってしまった自分が嫌になってしまった。 「最悪!  何、 馬鹿なことを考えてるのよ……」 いくら追い詰められているからって、 いくら自暴自棄になりかけているかって、 あんなに失礼で最悪な男となんて絶対に有りえない! 一生懸命、 否定しながら思いっきり落ち込んでしまった。
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