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本当はこんなことあまり口にしたくないし、
わざわざこいつに言いたくもないが
回避するには言わざるを得ないみたいだ。
「週末は彼女と過ごすから無理かな」
きつくならない言葉を選び、
さらりと言ってみる。
瞬間、
相原の表情が一気に曇り、
すごい勢いで佐藤の方を睨みつけだす。
やっぱり佐藤に何か吹き込まれてたんだと思った。
そして同時にしくじったかな?
と少々、
後悔を覚える。
どうも佐藤の思惑通りに事が進んでいるようで気に入らない。
相原は何も言わず、
ただ不服そうに俺を見るとそっぽを向いて離れていった。
怒らせたかな?
と思いながらもなんとか回避できたことにホッとする。
でも同時に感じる新たな嫌な予感。
視界の隅に
佐藤がニヤニヤとしながらこちらに向かってくるのが入ってきた。
“一難去って、
また一難”とはこういうことを言うんだろうな、
と染々と思う。
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