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でもここはフロアのど真ん中で、
更に相原のせいで変に目立ってしまっている。
当たり前だが今は仕事中
――これ以上、
目立つようなことはしたくない。
とりあえず俺はフロアを出て喫煙所に移動することにした。
予想通り佐藤もすぐに俺の後を追うようにやってきて
迷わず俺の横に陣取ってきた。
俺は敢えて佐藤を無視してタバコに火を点け、
ニコチンタイム。
横からは痛いほどの佐藤の視線をひしひしと感じ、
さすがに無視し続けることに限界。
何よりせっかくのタバコが旨くない。
俺は観念するように溜め息をつくと佐藤に視線を向けた。
「言いたいことがあるんなら言えよ。
いちいち面倒な相原を使うな」
「おまえが素直に口を割らないから仕方ないだろう」
口角を少し上げ、
楽しそうに俺の様子を見てくる佐藤の顔には
もう“確信”していることが分かった。
こんなにギリギリのところまで追い詰められても
やっぱりコイツだけには知られたくないって思うし、
そう思わせるコイツにもかなり問題があると思う。
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