契約

23/24
1023人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ
言い返したいのはやまやまだが、 確かに困るのは私で、 男の言うとおり。 でも今さら男に言葉の訂正を入れるのもシャクで、 なかなか言葉にする事ができない。 「待って!」 意固地になって答えない私に 男は何事もなかったかのように 電話を切ろうとしだし、 慌てて男を止めにかかる。 一瞬、 本気で電話を切られてしまうんじゃないかとおもったが、 一息つくような男のため息が聞こえ、 不覚にもホッとしてしまった。 「……何?」 男は少しぶっきらぼうに言葉短く私に言葉を投げかけてくる。 私は悔しさをグッと堪えて小さな声で言う。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!