契約

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何度か自分を落ち着かせるように深呼吸を繰り返し、 落ち着きを取り戻すとベッドの上に置き去りにしてあった携帯に手を伸ばす。 そして着信履歴からあの男の番号を出し、 一気に発信ボタンを押した。 携帯を耳にあてコール音を聞いていると緊張からか鼓動が速まりだす。 「早く出てよ……」 面倒なことはさっさと終わらせたいのに、 私の気持ちとは裏腹になかなか出ない男への苛立ちが募る。 呼び出し音が、 5コール鳴り私は諦め電話を切ろうとした瞬間…… 『はいっ……』 少し慌てた男の声が耳に飛び込んできて、 緊張のせいか私の胸は高鳴りだす。 「私……だけど。 両親にはきちんと話したから。 今週末はどうかって言われたけど あまりにも急すぎるわよね」 男と知り合ってまだ三日。
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