1023人が本棚に入れています
本棚に追加
しかもお酒のせいで記憶は殆んどなく、
交わした会話も微々たるもの。
もちろんお互いのことは全くといっていいほど知らず、
こんな状態で両親に会ってもきっとボロがでてしまう。
見た感じ、
冷静で用意周到なこの男がそんな危ない橋を渡るとは思えず、
火をずらしてくると踏んで私は男に電話したのだ。
でも男の口から出てきた言葉は
「分かった。
じゃあ、
日曜日にお邪魔する
と伝えといてくれ」
またまた私の予想に反するもので
一気に気持ちが焦りだし、
頭がパニックになってゆく。
あの男は酔っていたにしろ色んなことを喋ったらしく、
私のことを少しは分かっているかもしれないが、
私には名前と住んでいる場所以外、
あの男について何も知るよしもなかった。
「ちょっ……待ってよ!
困る!」
最初のコメントを投稿しよう!