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焦ったあまり本音が飛びだし、
同時に男が噴き出すような笑い声が聞こえてきた。
男の笑い声に結局、
向こうの方が一枚も二枚も上手で、
完全に私が踊らされていたんだと思い知らされる。
悔しさに一気に頭に血がのぼり、
顔が熱くなる。
『だから今週末だって言っただろ?』
私の言葉に男がため息混じりに呆れたように言う。
他人の話を訊いているのだろうか。
今、
私は困る!
て言ったのに完全無視のようだ。
だって、
どう考えてもボロが出てしまうのは百%分かりきったことで、
なのになぜ日にちを変えないのかが分からなかった。
「意味が分からないんですけど!
……私たち、
お互いの事を何も知らないのよ?
このまま挨拶に来ても
嘘がばれるだけじゃない」
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