842人が本棚に入れています
本棚に追加
「何か飲む?」
とりあえずコンビニに目配せして聞いてみるが、
咲穂はそれに答えることなく俺を真っ直ぐ見つめてくる。
どうやらそんなことはどうでもいいらしい。
この数週間で咲穂の頑固な性格も、
一度気になったら梃子(てこ)でも動かないことも熟知してしまっていた。
どうせ俺も気になっていたことだし確かめたい気持ちはあったが、
それでも自分からわざわざ確認もしにくかったが仕方なく訊いてみることにした。
「昨日はちゃんと全部、
記憶あるのか?」
俺の問いに咲穂が微かな反応をみせ、
少し不服そうに頬を膨らませる。
「あるわよ。
そんなに毎回毎回、
記憶を失くさないし!」
失礼な、
とばかりに咲穂は少しだけ強気に言い返してきた。
「じゃあ、
昨日俺とした約束は覚えてるのか?」
あまりにも強気で自信満々に答える咲穂に
俺はわざと意地悪く聞き返す。
最初のコメントを投稿しよう!