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「ああ、
帰る間際に電話くれればいいから」
にやけそうになるのを堪えながら言うと
「ありがとう」
と無邪気に満面の笑みを溢す。
そんな咲穂の頬に触れるとお互いの視線がぶつかり、
そしてどちらからとなくゆっくりと口付けた。
*
数日後―。
私はユキの許可を得て容子と神崎さんのお店に飲みに来ていた。
私たちは、
いつものお気に入りの席に座り神崎さんを交えてのトークを楽しんだ。
ついついお酒が進みそうになるがそこはグッと我慢。
もうお酒でユキに呆れられたくないし、
私自身もダメだと思う。
だから今日は二杯だけって決めていた。
「本当にもう飲まないの?
ユキが迎えに来てくれるんでしょ」
予告通り、
お代わりにウーロン茶を頼んだ私に驚きながら
神崎さんがしつこく聞いてきた。
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