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私はユキの車が見えなくなってもしばらくその場に立ち尽くし、
その方向を見つめていた。
さっきユキに抱き上げられてから一向に治まることのない私の鼓動。
ううん――最近、
ずっとかもしれない。
好きじゃないけど……、
嫌いじゃない。
嫌いじゃないけど……、
好きじゃない。
ずっと、
そんな感じで心にモヤがかかっていてハッキリと見えない、
自分の気持ち。
ただユキのことを考えただけで鼓動が速まりだし、
でもしっくりとこない不思議な感覚に最近ずっと囚われていた。
良平と別れて二年余り。
久しぶりに近くに男性を感じてしまっているせいだろうか。
それとも……
「咲穂さん!」
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