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目覚まし代わりの携帯のアラームで私は目を覚ました。
いつもよりも目覚めの良い朝――。
どうやら昨日、
すぐに寝てしまったようだ。
「んーっ!」
私はゆっくりと身体を起こすと
思いっきり伸び上がるように背筋を伸ばし、
一息つくと違和感を覚える。
いつも朝になると隣に寝ているはずのユキの姿がそこにない
――というより、
そこには寝た形跡すらなかったのだ。
どうして?
私は変な不安感に襲われ、
慌ててユキの姿を探しに寝室を出た。
締め切られたカーテンと電気が点いていないせいか、
少し薄暗いリビング。
ブーンという冷蔵庫の音以外、
聞こえないほど静かでユキの気配なんて全くなかった。
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