存在

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咲穂はすぐに立ち上がろうとしたが、 やっぱり足首を怪我していたらしく、 すぐに痛そうに顔を顰(しか)め、 しゃがみ込む咲穂を俺は抱き上げた。 「えっ!? ちょっと……」 腕の中で驚き騒ぐ咲穂を無視して 俺は咲穂をソファーまで運ぶと 俺はすぐに傷めたであろう足首に触れ確認してみたが、 軽く赤くはなっていたが腫れてはいないようだった。 病院にまで行くほどでもなさそうで、 とりあえずホッとしたが痛みはあるみたいなので とりあえず湿布を貼っておいた。 湿布を張り終えると 咲穂は恥ずかしそうに「ありがとう」と言ってくれたけど、 俺は後ろめたさを感じるだけだった。 咲穂が転ぶ原因を作ったのも、 怪我をさせてしまった原因を作ってしまったのも全部、 俺。 ――責任を感じていた。
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