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慌てて振り返り謝ろうとしたが、
私は途中で言葉を飲み込んでしまう。
だって相手は私が今会いたくないと思っていた凜子で、
しかも少し不機嫌そうに私を見ていたから。
――すごく嫌な予感がした。
「おはようございます。
……朝からお熱いんですね」
最悪なことに私の予感は的中し、
凜子にもしっかりとみられてしまっていたようだった。
相変わらずの憎まれ口をサラリと言う凜子に私は思わず苦笑いが漏れる。
「おはよう。
そう?
今日はたまたまよ?」
私は凜子の憎まれ口にも余裕な笑みを浮かべ勝ち誇ったように見返す。
こんなことを言うつもりなんてなかったのに
勝手に動いてしまう自分の口と負けず嫌いの性格が憎らしい。
しかも私の性格を知り尽くしている凜子はソレを逆手に私を煽りだす。
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