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やっと愛子さんのマシンガントークから解放されたとホッとしたがすぐに
「でもねー、
現実は知った方がいいと思うの。
あんまり夢ばかり見てたら
現実を目の当たりにしたら
ショックも大きいでしょ?」
一旦は沈んだ表情をまたパッと明るくさせながら
神崎さんに説教っぽく言うと、
また私に視線を戻す。
助けを求めるように神崎さんの方をチラリと見るが、
私と目が合うと少し手を上げ謝る素振りを見せる。
どうやら神崎さんもお手上げらしく、
もう誰も愛子さんの暴走を止める人も、
手段も見当たらないのだと知る。
もう諦めて、
とことん話に付き合おうと腹をくくった瞬間、
携帯の着音がお店に鳴り響く。
いつもなら人も多く、
ざわつきで音なんて大して聞こえないのに
今日に限ってお店には私たち三人だけで、
やけに鳴り響く着信音に二人の視線を集めてしまった。
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