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「ごめんなさい」
着信音からして相手はユキで帰りの遅い私を
心配してのものだと思った。
連絡もせずに、
しかもユキとの約束を破ってお酒を少しだけど口にしてしまった。
私は後ろめたさからグラスから手を離してしまい、
そしていつまで経っても鳴り止まない着信音に焦らされながら
カバンを探る。
やっと探しだし電話に出た瞬間
『今、
どこにいるんだ!』
ユキの心配そうな怒鳴り声が飛び込んできた。
その声からユキが心配している様子がすごく伝わってきて、
私は反射的に
「ごめん」
と謝る。
ユキの怒鳴り声から伝わる愛情
――すごく嬉しい。
つい二人の存在も忘れ、
暫しユキと会話を交わす。
とりあえず神崎さんのお店に居ることも飲んでいることは伏せ、
駅まで迎えに来てもらうことになった。
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