再会

11/25
前へ
/25ページ
次へ
「ごめんなさい」 着信音からして相手はユキで帰りの遅い私を 心配してのものだと思った。 連絡もせずに、 しかもユキとの約束を破ってお酒を少しだけど口にしてしまった。 私は後ろめたさからグラスから手を離してしまい、 そしていつまで経っても鳴り止まない着信音に焦らされながら カバンを探る。 やっと探しだし電話に出た瞬間 『今、 どこにいるんだ!』 ユキの心配そうな怒鳴り声が飛び込んできた。 その声からユキが心配している様子がすごく伝わってきて、 私は反射的に 「ごめん」 と謝る。 ユキの怒鳴り声から伝わる愛情 ――すごく嬉しい。 つい二人の存在も忘れ、 暫しユキと会話を交わす。 とりあえず神崎さんのお店に居ることも飲んでいることは伏せ、 駅まで迎えに来てもらうことになった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1196人が本棚に入れています
本棚に追加