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彼女の言葉に神崎さんは私から離れ、
彼女の方に行き新しい言われた通り新しいお酒を作りだす。
私は取り残されたようにポツリとその光景を見ていた。
「あ、
咲ちゃんごめん。
何にする?」
私の視線に気づいた神崎さんは
彼女にお代わりを出すと慌てて私の方に戻ってくる。
「えっと、
ウーロン茶……」
一人でバーにまで最初に来て頼むものではないって分かっているから、
つい声も小さくなる。
「ウーロン茶だね」
事情を知っているのか神崎さんは嫌な顔ひとつしないで、
笑顔で受けてくれた。
神崎さんの優しさにホッとしながら待っていると、
漏らすような笑いが耳を掠める。
お店に居るのは私と神崎さんとそして……
私は様子を伺うようにゆっくりと彼女の方に視線を移す。
そしてすぐに合う目と目。
すでにどれだけか飲んでいるらしく、
フォロー酔い具合が読んでみれるくらい目がトロンとしている。
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