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――ユキとの約束が……、
と思いながらチビチビと飲みながら
私は愛子さんの話を一方的に聞かされ続けた。
話を聞いていて分かったことは、
私より三歳年上で昔よくここに来ていて、
予想通りこの席が愛子さんの定位置だったということ。
そして最近、
離婚して実家のあるこっちに戻ってきたということだった。
確かに私の周りにも離婚をした子は何人も居たが今まで他人事。
でも実際、
自分も結婚している今、
そんな話を訊かされるとやけにリアルで一瞬、
結婚にも“終わり”があるのだと強く意識させられてしまった。
「愛子さん、
まだ結婚もしてない子にそんな話はないんじゃない?」
私の様子に気づいたのか、
それともあまりにも愛子さんが暴走しすぎているのを見かねたのか、
神崎さんが話に割って入ってきた。
「あ、
そっか。
ごめんねー」
神崎さんに言われ愛子さんは軽く手を合わせ、
慌てて私に謝りだす。
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