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週末はできるだけ二人で過ごすと咲穂に約束させてはいたが、
咲穂もどこかに行きたいと言わないのもあって結局どこに行くこともなく部屋で過ごすだけ。
だから今日も夜遅くまで仕事に没頭し、
昼過ぎまで寝ているつもりだった。
でも咲穂があんな風に誘ってくれたのは初めてで、
それがすごく嬉しく、
どうしても彼女との約束を守りたかった。
「今日は徹夜かな……」
机に広げておいた仕事の山を見て思わず、
ため息が零れる。
仕事の合間に、
ふと咲穂がどこに行きたいのか訊くのを忘れてしまっていたことを思い出し気になってしまった。
いつもより集中力が低下して、
なかなか捗らなかったが
咲穂と出かけることを考えると単純すぎるかな?
俄然やる気がでてきた。
―…
―…
「――キ……、
ユキ?」
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