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ただ、
寝不足の俺には朝の陽射しさえも眩しく、
目に痛みのような刺激を与えた。
思わず目を細め無駄に瞬きを繰り返していると
隣で咲穂が心配そうに俺を見ていて
「何、見とれてるんだよ」
と茶化してごまかした。
単純な咲穂はまんまと俺の思った通り、
少し膨れっ面でそっぽを向いてしまった。
*
多少の問題は残ったが、
私は渋るユキを何とか説得して
外へ連れ出すことに成功した。
式場にも何とかギリギリ間に合うことができ、
式には呼ばれてはいないが朋花ちゃんに是非にと言われ、
今はチャペルの一番後ろにいる。
歳が歳だけに友人の式には何度も出たことがあるが、
毎回その素晴らしさに心奪われてしまう。
そして思う――いつか私も……って、
期待と憧れが膨らんでゆく。
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