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やっぱり連れてくるんじゃなかったと後悔し、
居心地悪さを感じ早く帰りたいと思い出す私にユキは衝撃的な事を口にした。
「ブーケトスに人妻はマズイだろう……」
少し呆れた様子でさらりと言いのけるユキに、
私は目が点になってしまった。
「人妻って……」
その言葉の響きに恥ずかしさを感じ、
顔が熱くなってゆく。
「本当の事だろ。
戸籍上、
咲穂は俺の嫁なんだから」
顔色ひとつ変えず言いのけるユキに返す言葉が見つからず、
ただ口をパクパクさせてしまう。
確かにユキが言っていることに間違いはないと思うが
“人妻”という響きは妙に生々しく感じ、
どうも落ち着かない。
一気に“結婚”というものが現実味を帯びた感じがした。
「なに金魚みたいに真っ赤な顔して
口をパクパクさせているんだ。
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