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私はユキに凜子たちと交わしてしまった約束の事をなかなか言い出せずにいた。
まだ時間はある――
そう自分に言い聞かせていたが、
気づけば約束の日は明日。
結婚式こそ呼ばれてはいないが、
是非二人で見に来てほしいと朋花ちゃんにも言われ凜子には「明日、
一人ってことはないですよね」
とさりげなく念を押され私の逃げ道をしっかりと塞いでくれた。
最悪、
それを狙っていた私は一瞬、
固まってしまったがすぐに
「ちゃんと連れてくるわよ」
と冷静を装い答えた。
それなのに未だ言い出せずにいる私は
一緒にテレビを見ているユキをさっきからチラチラと盗み見して
タイミングを見計らっていた。
でも当のユキは私の視線など気づく様子もなく、
珍しくテレビに夢中な様子。
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