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「――おはよう」
あまりのタイミングの良さに思わず
眉間にシワが入りそうになるが、
必死に堪え笑顔を作る。
「あ、この人が噂の彼さんですか?
さすが咲穂さんの彼氏さんだけあってカッコいいですね」
気のせいか凜子の声のトーンがいつもよりも高く、
そして媚びるような目でユキを見ているような気がした。
そんな凜子に私はちょっとだけ優越感を覚え、
二人にユキを紹介しだす。
「彼、
各務 由貴さん。
で、こっちが凜子で
こっちが朋花ちゃん。
二人とも会社の後輩なの」
笑顔で二人にユキを紹介すると、
同じようにユキにも二人を紹介する。
凜子たちはちょっと落ち着かない感じでユキを見ながら
声を揃えて「初めまして」と軽く頭を下げた。
ユキも日頃は見せないうさんくさい作り笑顔で「初めまして」と挨拶をする。
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