約束と紹介

23/34
前へ
/34ページ
次へ
「嬉しいんだけど、 今回は遠慮しとくよ……、 俺も咲穂も」 ユキの言葉に私を含め、 みんなが驚いた。 「どうしてですか!?」 私が聞くより先に凜子が素早く声を張り上げる。 ユキが断ってくれたのは良かったが、 私がユキに言わせたと凜子に思われかねない気がする。 私の不安は的中してしまったらしく、 凜子の方を見ると疑わしそうな目で私を見ていた。 違う!  と誤解されないように否定しようと思った矢先、 急にユキが私を引き寄せ 「咲穂、 朝からあまり体調が良くなかったから、 な?」 まるで熱でも計るように私の額に触れ、 話を振ってきた。 私にはユキほど適応能力はなく、 急に話を振られても答えられず、 言葉に詰まる。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1672人が本棚に入れています
本棚に追加