1672人が本棚に入れています
本棚に追加
「――そうなんですか?」
朋花ちゃんは心配そうに私の顔を覗き込んでくるが、
凜子に関しては私が何も答えないからか相変わらず疑わしそうな顔をしてこちらを見ている。
「そうなの。
なんか風邪引いたみたいで
朝から熱っぽくて……」
私は凜子からさり気なく目を反らすと、
ワザとらしいかもしれないが軽く咳払いするとユキにもたれ掛かる。
ユキも私の話に乗ってくれたのか更に引き寄せてくれ、
私はユキの胸に頬を埋める形になってしまった。
ただ、
あまりの近さに私は緊張と恥ずかしさから徐々に顔が熱くなってゆくのを感じた。
「本当だ。
咲穂さん、
顔が赤いですよ?
もしかして熱が上がってきたんじゃないですか?」
タイミング良く朋花ちゃんが私の様子に気づき、
上手いこと誤魔化せそうだが
同時にユキにまで顔が赤いことを知られてしまい
内心ちょっと面白くない。
最初のコメントを投稿しよう!