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中でも凜子の驚きようは飛び抜けていて、
それに気づいた私は性格悪くも心の中でにやりと笑いガッツポーズまでしてしまった。
「咲穂さん
ご結婚決まってたんですか?
そんなおめでたい事は
ちゃんと言ってくださいよ。
楽しみにしてるんで、
絶対に招待状送って下さいね」
目をキラキラ輝かせ興奮極まった朋花ちゃんは凜子の手を強く握りしめている。
こうも簡単に話をでっち上げ二人を騙してしまうなんて、
どこまでも口の上手い男なんだろう。
もしかしたら私も騙されているんじゃないかって思ってしまった。
でも今はソレを追求するよりも早くココを脱出したかった。
「せっかくのお祝いの席なのに、
ごめんなさい。
先に帰らせてもらうね」
私は敢えてユキが言ったことには触れず、
謝ると足早に式場を後にした。
式場を出て車の方に来ても私は凜子の顔を忘れられず、
優越感に浸ってしまった。
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