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そんな調子で時間だけが経ち、
どうしようかと本気で思い詰めていると、
ちょうど見ていた番組が終わったらしくユキが立ち上がり、
いつものように仕事部屋へと移動しだした。
「……あの!」
今しかない!
そう思い焦った私は勢いよく立ち上がり声をかけると、
ユキは返事することなく振り返り不思議そうに私を見てきた。
勢いで呼び止めたはいいが、
なかなか次の言葉が繋がらず私はただ見つめてしまう。
「何?
急ぎじゃないなら明日でいいか?」
そんな私にユキは呆れたようにため息をつき、
仕事が溜まっているのか
ユキはそう言うとまた仕事部屋に入ろうとする。
「お願いがあるの!」
私は声を張り上げユキの方に近づくと、
その行く手を阻むかのようにユキの腕を掴んだ。
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