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さすがのユキも驚いたみたいで、
一度は手をかけたドアノブから手を離し「何?」と私の方を見る。
「明日……、
付き合ってほしいところがあるの」
仕事も忙しそうだし、
ユキの様子からを見ると無理だとは思ったが、
私は勇気を振り絞りダメもとで言ってみた。
「別にいいけど……。
とりあえず仕事終わらしてくるから」
でも返ってきた言葉は迷いなく、
予想外にあっさりとしたもので私は自分の耳を疑い、
さっさと仕事部屋に消えてゆく男の姿を見送った。
*
俺は咲穂の言葉を思い出して部屋で一人、
にやけていた。
まさか咲穂の口から、
あんな言葉が出てくるなんて思ってもいなかった。
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