トラウマ

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そういえば昨日、 あまりにも急でしかも時間も遅めだった。 ずっと独り暮らしだったせいかあまり深く考えずに電話したが、 今は咲穂が待っていてくれるんだと気づく。 今は帰ると部屋には明かりが点り、 ご飯を作って咲穂が待っていてくれる。 胸がジーンと熱くなるのを感じながら、 つい幸せに浸ってしまった。 「昨日はごめん。 そうだよな、 ご飯作ってくれていたんだよな」 俺は何事もなかったように席に戻り食べ始める咲穂に謝る。 「あ、 ううん。 気にしないで付き合いとかあると思うし」 咲穂は慌てて笑いながら言うが、 その顔はどこか悲しげに見えた。 「今度からは気を付けるから。 昨日はあまりに急すぎたよな」 そう言うと咲穂は素直に小さく頷く。 俺には咲穂のその素直な反応がすごく嬉しかった。
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