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「少しは変わったと思ったけど相変わらずだな」
「変わってなくて嬉しい?
それとも残念?」
俺の冷ややかな言葉にも愛子は一切動じることなく微笑み続け、
意味深な言葉を口にしながら、
するりと腕を伸ばし、
俺に触れてくる。
「愛子!
いい加減にしろ!!」
そう言って俺から愛子の腕を退かしたのは俺自身ではなく佐藤だった。
「何よ、
うるさいなー」
止めに入った佐藤に愛子は不服そうに頬を膨らませ睨みつける。
「来るなっていっただろ!
ここは会社だぞ」
俺には落ち着けと言ったくせに
佐藤は負けまいと声を荒立て愛子を怒鳴りつける。
気づくと周りにはさっき以上の人だかりができ、
通りすぎていく人たちも興味津々な様子で見て行く。
俺は周りを気にしながらも上手い言葉が見つからず、
2人のやり取りを見ているしかなかった。
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